• レジェンドブームを徹底検証!語ろう、新春1・8レジェンド・ザ・プロレスリング!!(PART.2/DJ JIN<ライムスター>編)



    今年1月に旗揚げした『レジェンド・ザ・プロレス リング』。これは、かつて“金曜夜8時”に一大プ ロレスブームを巻き起こした立役者たちである藤波 辰爾、長州力、初代タイガーマスクが中心となって 定期開催をしているイベントで、いま、このレジェ ンドの会場が熱い盛り上がりを見せている。そこで 今回、12月19日に新創刊となった“世の中とプロレ スするひろば”『KAMINOGE』(かみのげ/東邦出版) 編集部が、新春1月8日に後楽園ホールにて開催され る『LEGEND THE PRO-WRESTLING 2012』に向けて、“上野毛道 場伝説”を作った男たちに敬意を表し、“昭和新日 本”“金曜夜8時”に熱狂させられた漢(おとこ) 達にインタビューを敢行。それぞれに当時の熱い思 いや、1・8後楽園大会の展望などを語ってもらいな がらプロレス界において新たなマーケットを開拓し たレジェンドを検証していく。第1弾の三又又三さ
    んに続き、第2弾となる今回は、人気ヒップホッ プ・グループ「ライムスター」のDJ/プロデュー サーであるDJ JINさんです。
    【聞き手:井上崇宏(『KAMINOGE』編集部)】

    ■「プロレスラーっていうのは、非現実的な強さがあったり、すごいことをやっている人達」

    ——JINさんは、今話題の11月16日にリリースされた『FLOOR presents POWER OF DANCE』(エイベックス・マーケティン グ)というプロレステーマ曲のリミックス集に参加 をされていましたよね。
    JIN はい。『王者の魂』(ジャイアント馬場の入場 テーマ)をやらせてもらいましたね。
    ——しかし、今回は昭和新日本を中心としたお話を うかがえたらと思っています(笑)。
    JIN あー、いやもう全然!(笑)。僕の場合は、 「馬場か、猪木か?」じゃなくて「馬場と猪木」で すから。あのー、ふだんDJプレイのレパートリーで かならずレコードバッグに入れているのが、『アリ・ボンバイエ』。
    ——『アリ・ボンバイエ』! 率直に言って、ズルいですね(笑)。
    JIN アハハハハ。『炎のファイター』じゃないんで すけど、『アリ・ボンバイエ』をレコードバッグに いつも忍ばせて、ここ一番でかけてますね。
    ——DJ的に「ここ一番」というのはどういう局面なんですか?
    JIN 最近、一番よくかけるのは“締め”ですね。イベントの締めで「ちょっとここはパンチが足りないな」とか思ったときとかにかけます。だいたい普通 はきれいに終わったりするんですけど、お客さんで 僕のファンとかが多く残ったりしてくれていると、サービス精神も兼ねて最後に景気良く一発、『ア リ・ボンバイエ』をかけて一本締めで終わる、みた いな。
    ——トリを飾るということですね。呑みで言うと ラーメンみたいな(笑)。
    JIN そうですね(笑)。ラーメンみたいなもんです ね。締めですよ。そういう新日本的なものはもちろん通っていて、やっぱり初代タイガーマスク世代なんでそこでガッツリ、プロレスにはまってしまった という。
    ——JINさんは世代的に直撃ですもんね。
    JIN そうですね。40前ですから、おもいっきり小学 生のときに、いわゆるタイガーの飛んだり跳ねたりとか観て燃えて。「プロレスはエンターテインメン トとして最高」みたいな。
    ——初めてプロレスにハマった瞬間って憶えてます?
    JIN プロレスは新日本が金曜の夜8時からやってたときからずっと観てたんですけど、やっぱり「とんでもないものが現われた!」と幼心に思ったのは初代タイガーマスク。で、それから現在まで初代タイガーのことを本当に尊敬しているし、すごい人だっ たと思いますね。その頃から初代タイガーに対して はファンだったので、思い入れもけっこうあって、新日本をやめたあともずっとその動向を追いかけていて。UWFとかシューティングまでずっと追いかけていて、当時TBSで夜にやってたシューティング合宿の 模様をテレビで観てたりとか。
    ——あの伝説の恐怖番組ですよね。佐山さんの指導が熱血すぎるやつで(笑)。
    JIN そうです(笑)。そういうのを観たりとかして、「あっ、格闘技をやってるんだ」みたいな。それでずっと好きだっていうのが続いているのもあるんですけど、いちおう今、練習生として修斗のジム に在籍をさせてもらっていて。
    ——あっ、どちらのですか?
    JIN 明大前のGUTSMAN・修斗道場です。けっこう前から通っているんですけど、ここ数年は育児のほうで 忙しくて(笑)、練習生として籍を置いてはいるんですけど、練習はなかなか行けてない状況で。
    ——桜田直樹さんが代表を務めているジムですね。 じゃあ、幽霊会員みたいな。
    JIN そうですね。まだ忘年会の誘いとかもきてるんで、ちょっと行ったりとか(笑)。あとはプロシューターの知り合いもいるんで、応援に行かせてもらったりとか。そういうレベルなんですけど。 やっぱり、桜田先生は初代シューターのバリバリの人なんで、練習とかでも「佐山先生はすごかったん だ」みたいなエピソードがけっこう入ってくるんですよ。そのたびに初代タイガー好きとしては、ビン ビンきてしまうっていう(笑)。
    ——桜田先生の佐山さんエピソードって、いい語り部っぽいですね。
    JIN そうですね。やっぱり佐山聡という男の身体能力のすごさ、あとは昔の武道、格闘イズムみたいなのを受け継いでいて、それが練習とか、それ以外のところでも出てきたりとか。そういう感じですよね。
    ——小学校のときに衝撃を受けて、「プロレスラーになってみたい」と思ったことはありませんでした? やっぱり、アーティストの人って、自分自身 もやってみるということに対して、すごくリアリティーがあるんじゃないかと思うんですけど。
    JIN いやあ、やっぱり憧れはありましたよね。タイガーのあれだけ華麗に動けて強いという部分は、男の子たちが憧れるものですけど、自分は不思議とプロレスラーよりは、格闘技のほうが現実的というか。プロレスラーは非現実的な強さがあったり、すごいことをやっているというのはもちろんあるんですけど、格闘技のほうが普通の人でも道場に通える し、プロレスは道場に入るのも大変じゃないですか?格闘技はそこらへんはけっこうぬるい感じで(笑)。 プロレスはとにかくすごいものだなっていう。

    ■「タイガーマスクは衝撃的。あのムーブの片鱗で も観られたら最高です。まずは入場をしてきて、ワンムーブでトップロープに立つところが観たい」

    ——あの当時の新日本っていうのは、初代タイガーの登場と並行して、藤波vs長州の名勝負数え唄とか、その頂上にはアントニオ猪木がいてっていう状況でしたよね。
    JIN 当時、藤波選手は若手というのかな? 猪木に 次ぐスター選手として出てきたじゃないですか。マスクも良くて。レコードも出したりとか(笑)。 やっぱりそういうベビーフェイスというか、いい役に対してのスマートなカッコ良さみたいなところで 「この人はヒーローなんだ」みたいな、そういう感 じで観てましたね。同時に悪役の憎らしいところに 惹かれるものもあったりとか、わりと「この人がこう」みたいなのは、特に強烈にはなかったですね。
    ——特定の個人ではなくて、「あのプロレスの世界が好き」っていう?
    JIN そうですね。だから猪木さんのことも、「“ザ・プロレス”の人だな」ってちっちゃいときからそう思いながら観てて。もちろんデカイし、強いしっていうのもあるんだけど、僕はちっちゃい頃 からプロレスのエンターテイメント性というのをわかったうえで観るみたいなところがあったので、それをわかりやすく伝えてくれた人。それと同時に強さや格闘技性も兼ね備えてるっていう。だから、そういう意味では「おー、プロだな」ってギリギリのところで気づかせてくれたのが、やっぱりハルク・ホーガンのアックスボンバーを喰らって、失神してベロを出して倒れてるシーンで。あれを観たときに「あー、これけっこう危ないかもしれない!」って 思わせる、そんな猪木がすごいみたいな。だから、ちっちゃい頃からプロレスのことを「あれ、痛くないでしょ?」みたいなことを言ってくる友達がいると、「何を野暮なこと言ってるんだ。そうじゃねえんだよ」みたいなことは言ってましたね。
    ——なるほど。
    JIN だから長州さんも藤波さんと一緒で、個人としてどうというよりも、とにかくサソリ固めの衝撃っていうか。「ボストンクラブは、子ども同士でやるプロレスの中では大技のひとつ」っていうのがウチらちびっこの頃にはあったんですよ。腕立て伏せのように持ち上げて返すみたいなのはあるけれど、でかいヤツにガチって極められると逃げられないから。
    ——本気で痛いですよね(笑)。
    JIN そうそう(笑)。だから、ボストンクラブはちっちゃい頃から大技だなっていう意識があったんですけど、「そこでさらに足もいくか!」みたいな(笑)。「長州はすごいのを作っちゃったな」みたいなね。ちびっ子の頃のDJ JINとしては、あんな危険な技を作ったのはすごいなって思っていて。だから、長州といえばサソリだし、藤波といえば掟破りの逆サソリ。
    ——では、サソリ固めという技そのものに衝撃を受けたんですね。
    JIN 衝撃でしたね。技で衝撃を受けたのって、あとは田上明のノド輪落としぐらいしかないですよ。
    ——そこでJINさん、無理矢理ですけど、そんな本家のサソリが観られる『レジェンド・ザ・プロレスリング』が1月8日に後楽園であるんですよ。
    JIN ヤバいですね(笑)。
    ——2011年は藤波vs長州をやったりとか。タイガーマスクが小林邦昭と闘ったりしていまして。
    JIN グッときますね、僕らの世代としては。
    ——『パワーホール』が鳴るだけで会場大興奮みたいな感じで。
    JIN まあ、そうですよね。僕、プロ野球のマスターズリーグを観に行ったことがあるんですけど、やっぱり独特の良さがあるというのは観る前からわかるというか。
    ——楽しいに決まってるっていう(笑)。
    JIN だから、“レジェンド”もグッとくるのはもう間違いないみたいなところはありますよね(笑)。
    ——マスターズリーグも言ってみれば、“レジェンド野球”ですよね。
    JIN そうです。江夏とか。江夏がおそろしい山なりの球を投げるっていう(笑)。それでけっこうお客さんも入ってますからね。僕が観に行ったのは数年前ですけど。ちゃんとお客さんもいて、わかってる人たちが集まってきて盛り上がるみたいな。村田兆治があいかわらず150キロ近い球を投げるっていう(笑)。だから、1月の大会には藤原組長も出るんですよね?
    ——そうですね。藤波辰爾&長井満也組vs藤原喜明&石川雄幾組というカードがあります。
    JIN それは期待ですよね。組長に期待です。ちっちゃい頃に観た、二人とも黒のショートタイツを履いて、試合の前半でずっとネチネチとグラウンドの展開をやるみたいな。ああいうレスリング的な展開を延々やってほしいですね(笑)。やっぱりそこは、お互いのキャリア的にもネチネチやる攻防の見せ合いになるんじゃないのかなと。たぶん、ファンもそうなることをわかったうえで観る人も相当多いと思うので、そこに期待して僕も観たいですね。
    ——あー、JINさんは組長好きそうな感じですね。
    JIN やっぱりU以降ですよね。グラウンドがすごい、“関節技の鬼”といった感じで。あとは一般的なプロレスファンのあれなんですけど、当時流行った『ファイヤープロレスリング』で、藤原組長だけは一発でキラーな関節技を極めることができるっていう。ようするに、相手がどんなに元気な状態でも、関節技がバキッて入るとそれだけで一気にKO取れるっていうのがあって(笑)。そういう部分でもいろいろな幻想があったので。格闘技が同時に好きっていうプロレスファンだったんで、藤原組長といえばそういうイメージで、プロレスと格闘技の架け橋的な存在。プロレスの本当に強い部分みたいなところを担ってましたよね。
    ——そうですよね。あとはサソリ固めで有名な長州力が(笑)、橋本真也の息子の大地とシングルでやるんですよ。
    JIN テレビでなんですけど橋本大地選手のデビュー戦を観させてもらったりして、やっぱりプロレスってストーリー的な部分が重要ですよね。それが一番込められるワンマッチ。あのー、ライムスターの周りにもひと言もふた言もあるプロレスファンの知り合いがすごく多いんですよ。で、ある人がライムスターのライブを観て、「ライムスターは闘魂三銃士だ」と。「宇多丸が蝶野正洋、Mummy・Dが武藤敬司、DJ JINは橋本真也だ!」って言って(笑)。
    ——アハハハハ。そう定義した人がいるんですね。しかし、どれも悪い気はしませんね(笑)。
    JIN そうなんですよ(笑)。で、宇多丸はけっこうしゃべりも立つし、ヒールキャラと言ったらアレですけど、ひねたところもすごいあるんで蝶野だと。それで、プロレスの天才というか華があって、武藤的なカリスマ性があるのがMummy・Dで、あとは愚直なまでの素直さみたいなとこと、妙な熱さや男気みたいなところで僕が橋本だろうってことを言われて。「それは否定できないな」って(笑)。僕のライムスターでの立ち位置は、闘魂三銃士だと橋本ということになるらしいですね。
    ——じゃあ、長州vs大地戦は身につまされるカードですね。これまた無理矢理ですけど(笑)。
    JIN ええ(笑)。だから大地くんには、なんとか大成してほしいですね。我が息子として(笑)。で、初代タイガーがエル・サムライとシングルですか。サムライ、きましたね(笑)。って、初代タイガーとサムライ選手って時代的にかぶってないですよね?
    ——ないですね。ライガーとかとやり合ってたレスラーなので。
    JIN そっか、そうですよね。タイガーっていまだに飛んだり跳ねたりっていう動きはするんですか?
    ——それがやるんですよ。トップロープにもバンバン登りますし、ローリング・ソバットとか。
    JIN あの入場の時にトップロープに登ったりするんですか?
    ——しますよ。
    JIN あー、あれもいけるんですか。やっぱりすごいですよね。失礼ながら、いま相当重いはずですよね?(笑)。
    ——本人いわく、「1・8までに20キロ減量する」っていう(笑)。
    JIN なるほど、なるほど(笑)。でも、ルチャ的な動きの初代タイガーは本当に憧れでしたからね。少しでもそういう動きを見せてくれるといいですよね。入場の時にワンムーブでトップロープに飛び乗る、それだけでもいいぐらいですよ。あ! あれが観たいですよ、相手を場外に落として、プランチャに行くふりをして、クルンと戻ってくるやつ!
    ——活字じゃ表現しづらいですけど、観たことがある人はよくわかるあのムーブですね(笑)。
    JIN あれを観たときも衝撃でしたね。一回、マジソン・スクエアガーデンでダイナマイト・キッドとやったときにあのムーブをやったら、客がウワーッと沸いて。
    ——ありましたねえ。
    JIN で、客席をバッと観るんだけど、特にニューヨークのアフロ・アメリカン、黒人の男性がスタンディングオベーションで盛り上がっちゃってて。高校ぐらいのときからそういう音楽が好きで、ビデオであの試合を振り返って観たときにニューヨークの黒人があのムーブで沸いてるのを観て、グッときましたよね。
    ——僕も憶えてますよ、マジソンでのキッド戦。
    JIN「ずいぶんロープが柔らかそうだな」みたいな(笑)。でも、ああいうところでいつものルチャ的な動きを軽々とやってて。
    ——みんなビックリしてるんですよね。
    JIN「こんなの初めてだ!」みたいな感じでしたよね。まあ、さすがに今となってはできる範囲というのがあるとは思いますけど(笑)、やっぱり期待したいですね。その片鱗でも観られたら最高です。うん、僕にとっての“レジェンド”は、初代タイガーマスクが入場をしてきて、ワンムーブでトップロープに立つところ。あれが観たいです。


    DJ JIN(ライムスター)
    人気ヒップホップ・グループ「ライムスター」のDJ/プロデューサー。時代の先を捉えるモダンなサウンド・プロデュースで評価が高く、他アーティストへの楽曲提供やリミックスも精力的に行う。またクラブDJユニット「BREAKTHROUGH」を主宰、同名義でのリリース、サウンドメイクも活発に行っている。レギュラー・イベントは、毎月第1金曜日 『breakthrough』@渋谷The Room、奇数月第3土曜日『in Business』@渋谷club Asiaなど。レギュラー・ラジオ番組にJFN系列12局ネット『Joint & Jam』。
    www.rhymester.jp

    LEGEND THE PRO-WRESTLING 2012
    新春1月8日(日)後楽園ホール
    開場/11:15   開始/12:00

    【対戦決定カード】
    <メインイベント(第六試合)タッグマッチ 60分1本勝負>
    藤波辰爾&長井満也 vs 藤原喜明&石川雄規

    <セミファイナル(第五試合)シングルマッチ 60分1本勝負>
    長州力 vs 橋本大地

    <第四試合 シングルマッチ 45分1本勝負>
    初代タイガーマスク vs エル・サムライ

    <第三試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
    田中将斗&石井智宏 vs 本間朋晃&アレクサンダー大塚

    <第ニ試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
    ヒロ斉藤&ベアー福田&倉島信行  vs スーパー・タイガー&タイガー・シャーク& 間下隼人

    <第一試合 新春!お年玉マッチ 30分1本勝負>
    菊タロー vs えべっさん

    お問い合わせ:LEGEND THE PRO-WRESTLING実行委員会 03-5951-1488